研究室

ここいいかも。

【研究テーマ1】複数の評価に基づくシステム設計・運用
◇分散評価型多目的最適化問題  
システムを設計・運用する際には,その性能を評価し,それを最良にする最適化が行われます.
多くの場合評価項目(目的関数)は複数あるため,良い設計・運用を行うにはそれらの重要さの順位づけが鍵になります.
この研究では,各評価項目を評価する人が別々である(分散している)問題を分散評価型多目的最適化問題と名づけ,
これを適切に解く方法を扱います.
たとえば,バスの運行本数や時刻を考えると,収益はバス会社にとっての評価ですが,利便性は利用者が評価するものです.
この二つの評価項目は異なる人に帰属するので,その重要さの比較や順位付けは簡単ではありません.


◇問題の解決のアイディアと期待される効果  
評価項目の順位付けを行うには,収益や利便性のように性質が異なる評価項目の間の比較ができるようにしなければなりません.
実社会では金銭換算がよく使われます.しかし評価を行うのは人間であり,
その本質は結果に満足か不満足かという主観的なものであると考えられます.
この研究では,評価者の主観的な評価に基づいて複数の評価項目の比較と優先順位づけを行う方法の開発を行います.
バス運行以外にも分散型多目的最適化問題として捉えることができる問題はたくさんあり,
その解を求める方法はさまざまなシステムの設計・運用に有用であると期待されます.


◇卒業研究  
バス運行などの例題を設定し,それを対象として,評価者の主観的評価に基づいた分散型多目的最適化問題の解法を考案し,
例題のシミューレーションによってその検証を行います.